ライバルの「しくじり」により、本人は何もしなくても見直され、再評価されることは多いと思う。

昨今の出来事でいうと、VALU騒動でヒカキン氏が再評価されたように。

ただ、ヒカキンさんは本人の相当な努力もあるので少し違うかもしれない。

今回サトノダイヤモンドのフォア賞の惨敗により、凱旋門賞に挑戦したキズナが再評価されているような気がする。

 

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サトノダイヤモンドのフォア賞

同じサトノの馬でも国内の競馬ファンの中には、馬場適性がありそうな「サトノクラウンをなんで連れて行かない!」という声も多かったと思う。

 

「大きな馬だけど、ディープインパクトの子だし(欧州の)重い馬場でどうかは分からない」

 

 

ルメール騎手も現地の馬場に懸念を示しており、レース前にこのようなコメントを残している。

フォア賞当日の馬場状態は今年の開催で2番目の悪く、レース前のルメール騎手の不安通りに直線伸びを欠き4着。

 

「天皇賞(春)以来の休み明けでまだ100%の状態ではない中よく走ってくれましたが、最後の200メートルで止まってしまいました。今日は馬場がとても重かったことも影響したかと思います・・・馬場が良くなってほしいです。」

 

ルメール騎手もレース後、やはり馬場の影響が大きかったとコメントしている。

オルフェ―ヴルマカヒキ・キズナがフォア賞・ニエル賞に勝っていたため、凱旋門賞の前哨戦は勝って当たり前と思われていた節があるかもしれない。

サトノダイヤモンドのフォア賞は馬場の影響も大きかったと思うがこの敗戦により、本番で惨敗したマカヒキはともかくキズナが再評価されたような気がする。

 

キズナが最弱ダービー馬という風潮

ダービー以降大阪杯しか勝っていないため、何故か最弱ダービー馬の論争に名前が挙がってしまうキズナ。

キズナは帰国後大阪杯に勝ちはしたが、距離が長すぎる天皇賞春4着後に骨折。

翌年復帰したものの勝ちきれず、3戦して屈腱炎を発症して引退。

古馬になってから得意の東京競馬場のレースに出ていれば、最弱ダービー馬の論争に名前が上がることはなかったかもしれない。

けれど古馬になってからG2しか勝っていないナリタブライアンの評価は落ちることはない。

ナリタブライアンのように故障後は別馬のようになってしまったとキズナは思われていない節があると思う。

 

キズナのダービー

キズナの毎日杯・京都新聞杯を見返してみると、他馬が止まっているような爆発的な末脚で他の馬を置き去りにしている。

皐月賞に出走せず裏街道を進んできたのにダービーで1番人気に支持されたのは、毎日杯と京都新聞杯のレース内容が評価されてのことだと思う。

そしてダービーでも末脚は健在で、多くの武豊騎手のファンが涙を流した、武豊騎手の復活を印象付けた勝利。

ダービー勝利までの過程を振り返っても、とても「最弱」とは思えない気がする。

 

ニエル賞

 

キズナのニエル賞は英ダービー馬ルーラーオブザワールド、後に凱旋門賞・BCターフで2回2着になるフリントシャーが出走。

マカヒキのニエル賞とは異なり、出走メンバーはわりとレベルが高かったように思える。

キズナはこのニエル賞で英ダービー馬ルーラーオブザワールドの猛追を凌ぎ、世界一のダービー馬の称号を勝ち取る。

そして本番の凱旋門賞ではトレヴ・オルフェーヴルには離されたが4着。

オルフェ―ヴルが凄すぎたため霞んでしまっているが、キズナのフランス遠征は十分胸を張れる成績だと思う。

さらに帰国初戦の大阪杯は菊花賞馬エピファネイアに完勝。

次に距離不適な天皇賞春では4着だったが、ここで骨折してしまったのが不運だったと思う。

決してディープインパクト・オルフェ―ヴル・ナリタブライアンのような3冠馬とは比較できないが、骨折するまでの戦績を振り返るとキズナは並み以上のダービー馬だったと思う。

 

キズナの再評価

サトノダイヤモンドのフォア賞の敗戦で、

「実はキズナって凄かったんじゃ?」

という声が挙がってきている。

「キズナが大好き」というわけではないが、サトノダイヤモンドのお蔭でキズナが正当に評価されてきたのは良かったと思う。

ただ、サトノダイヤモンドも3歳で有馬記念を制した名馬。

この程度の馬ではないはず。

 

「今後さらに馬場が緩くなる可能性があるし、これ以上馬場が悪くなると厳しい」
「今日の結果をしっかり分析し、本番につなげたい」

 

池江泰寿調教師は「これ以上馬場が悪くなると厳しい」が、「結果を分析し本番につなげたい」とのコメント。

サトノダイヤモンドの巻き返しを本番の凱旋門賞で期待したいと思う。